はじめに
本記事【購入編】では全3回に分けてストーリー仕立てに購入に至るまでの経緯を綴っています。
「まどろっこしい!」という方はこちらのリンクから2022年5月現在の販売情報をご覧ください。
きっかけ
その日、僕は先輩と酒席を共にしていた。
時刻にして午後10時頃。
お互いに所帯を持っていて、家では愛しき我が子がそろそろ寝かしつけられるかどうかといった頃合いだろう。
そしてきっと妻はそんなまだ手のかかる幼子を残して外で酒を酌み交わしている夫に少なからぬ不平を抱きながら寝室で戦っているのだろう。
・・・・・・想像に難くない。難くないぞ。
そんな後ろめたさが相まってーーというわけではないだろうが、最近はどんなことをして家族を過ごしているかというテーマを肴に僕らはしみじみと飲んでいた。
「それでさ、最近プロジェクターを買ったんだよ。これが結構子どもたちが喜んでな」
「え、プロジェクターって高級品じゃないですか!」
「いやいや、そんな大したもんじゃないよ」
プロジェクターという言葉をリアルな人間の口から聴いたのは初めてか久しぶりだったように思う。
あるトーク番組で語られていたそれはあくまでテレビに出ているような特権階級の人間が持てる代物で自分にとっては見上げるような存在だ。
もしくは懐かしき視聴覚室の天井。・・・・・・やっぱり見上げる存在じゃないか。
「Amazonで買えるんだよ。2万円出したら釣りが来るんじゃないか」
「え、今そんなことになっているんですか」
「そうだよ」
「だけど、うちじゃそんなに豊富なDVDのラインナップないからなぁ」
「違う違う。クロームキャストを繋げればいいんだよ」
「クロームキャストってテレビに繋げて使うもんじゃないんですか!?」
クロームキャストーー当時の僕の感覚で表現するとテレビに繋げてNetflixを見られる素敵アイテムである。
我が家にはAndroid TVが既にあったのでクロームキャストは無用の長物だったのだが、存在は知っていた。
テレビ購入時にもらったGoogle Homeを更に活用するためには必要だったので調べてはいたのだ。
当時の僕には音声認識でテレビをつけたり消したりしたいという細やかな願望があった。残念ながら当時は今と違ってAndroid TV単体ではそこまでできなかった。
しかし、今購入を後押しする大きな理由ができた。
「ついに声でテレビを支配できる!
(うちの子にもプロジェクターで色々見せてあげたい!)」
ーーこの短絡的な願望が僕をプロジェクターという沼に引き摺り込むことになるとは当時は知る由もない。(あれからいくら使ったのだろう)
そして、ややしばらくして、我が家にはAmazonで購入した中国製のプロジェクターとクロームキャストが揃っていた。
コメント